件名 |
三遊亭円楽師匠を偲んで |
投稿者 |
7期 四代目 遊風亭銀杏 |
投稿日時 |
2009/11/01 5:15:08 |
情報 |
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記事 |
先日、落語家の三遊亭円楽師匠が亡くなられました。 円楽師匠と港南台高校とのご縁を少々ご紹介しますと、当方が「落語研究部」の部長をしていた昭和56年頃のことです。円楽師匠の独演会が港南区内で開催されるので、部で所有する「座布団」をお借りしたいとのお申し出が事務所の方から来ていると、当時の部の顧問であった冨谷先生から聞かされました。弱小部活であった当部にあって「座布団」だけは、とても立派なもの(当時で数万円したらしい)を所有していたことをどこからら聞きつけてこられたのでしょう。当方としても「名人」と呼ばれる師匠に座布団をお使い頂けるなんて、どれほど光栄なことでお断りする理由など何ひとつなく、喜んでお貸ししました。 すると、数日後、座布団が1枚の色紙と共に丁寧に返却されてきました。その色紙には「貧而無怨難 円楽」と書かれていました。あとで調べて解ったのですが、この色紙の言葉は「論語」の一文で、意味は「貧乏なのに恨み言を言わないのは難しいことである」ということでした。言い換えれば「貧しくても卑屈になるな」ということでしょうか。 当時、わずか数人で細々と活動をしていた落語研究部の実状をよくご理解された上で「頑張れよ!」というエールをこの色紙にしたためて頂いたものと思っています。 誠に残念ながら、昭和を代表する「名人」が、またひとりこの世を去ってしまいました。 謹んでご冥福をお祈り致します。 |